AI Readyな分析環境を作りたくて…一人アナリストがガイドライン作りを始めました。

はじめに

こんにちは!momokoです🍑(YOUTRUST/X
私は現在、AI をデータ分析業務のアシスタントとして活用するための AIを活用した分析オペレーション用リポジトリの構築 に取り組んでいます🖐️


目的は「AIに分析を任せること」ではなく、 人間のアナリストの作業をサポートし、分析品質を底上げする仕組みをつくることです。

そのために、AIへの指示書となる 設定ファイル を軸に、
分析レポートテンプレート、ワークフロー、運用ドキュメント をまとめたリポジトリを構築しました。

この記事では、

  • なぜ自分で作ろうと思ったのか
  • どんな工夫をしたのか
  • 直面した課題と解決策
  • 今後の改善の方向性

をまとめて紹介します。

    

リポジトリ構成一部抜粋

analytics-ops-repository/
│
├── README.md                         # リポジトリ概要
├── AI_ASSISTANT_PLAYBOOK.md          # AIアシスタントの行動指針
├── ANALYSIS_REPORT_TEMPLATE.md       # 分析レポートのテンプレ
│
├── analysis_reports/                 # 分析レポート置き場
│   ├── domain_a/                     # カテゴリA
│   ├── domain_b/                     # カテゴリB
│   ├── domain_c/                     # カテゴリC
│   ...

背景:なぜガイドラインを作ろうと思ったのか

1. 「仕組み」で分析課題を解決したかった

一人アナリストやデータ組織がまだ小規模の企業では、次のような課題が起きがちではないですか...?🥹

課題 詳細
時間がかかる SQL → 結果確認 → レポートの往復が重い
品質がばらつく 担当者によって粒度や検証の深さが異なる
再現性が低い 「この数値どう作ったっけ?」が頻発
ナレッジが属人化 分析結果や、データ定義が人の頭の中

アナリストとして頼られるほど、1つ1つの分析に割ける時間は減ってしまう…😭
だからこそ 「仕組み」で解決する必要がある と考えました。

2. AI の可能性と限界を見極めたかった

AI コーディングアシスタントやAIでの分析はとても便利ですが、実際に活用する中で次のようなリスクを感じました🧐

  • 勝手にデータを間引いてしまう
  • 推測で定義を補ってしまう
  • 因果関係を断定してしまう

AIの強みは活かしつつ、
リスクをコントロールする設計が必要 だと実感したこともきっかけです。


セキュリティへの配慮

AI 活用において最重要なのがセキュリティです。

機密データを扱わない仕組み

  • AIに渡すのはメタ情報(テーブル定義・ロジック)のみ
  • 生データや個人情報は渡さない
  • SQLの実行は必ず人間が社内環境で行う

ガイドラインでルールを明文化

設定ファイルに、

  • 禁止事項
  • セキュリティポリシー
  • 最終確認は人間が行う

などを明記しています。


私が設計・構築したもの

1. AIアシスタントの行動指針ドキュメント

AIが分析アシスタントとして守るべき振る舞いを体系化しました。

  • 分析の基本姿勢(課題構造化 → 仮説 → 設計 → 実行 → インサイト)
  • 禁止事項の明確化
  • 自社ルール(除外条件・セグメント定義・指標定義)の体系化
  • 対話フローの設計

単なる「プロンプト集」ではなく、
分析業務ガバナンスの基盤となるドキュメントを目指しました。

2. 分析レポートの標準フォーマット

全分析を同じ構造で記述できるフォーマットを作成。

構成例:

  • サマリー
  • 結論
  • KPI サマリ(前月比・前年同月比)
  • 仮説・数値・考察・インパクト
  • 次のアクション
  • チェックリスト

ポイント:

  • データ品質や統計的妥当性をチェックリスト化
  • 計算方法や定義を明記し、再現性を担保
  • レビュアーが比較しやすい構造化

3. ワークフローの自動化

GitHub × Notion を連携し、次を自動化しました。

  • レポートのバージョン管理
  • レビュー承認フロー
  • ドキュメント同期

運用で直面した課題と解決策

課題①:AIが勝手に判断してしまう

問題例

  • 「データが多いので一部だけ使いますね」
  • 「このカラムはおそらく○○でしょう」

解決策

AIが必ず人間に確認すべき領域を明文化。

  • データのサンプリング/間引き → 必ず事前確認
  • 不明な定義 → 推測したら必ずユーザーに確認

AIには「やってはいけないこと」を明記する必要がある と学びました📝


課題②:用語の使い分けが曖昧だった

問題例

  • 「異常値を除外」と書いたが実際は丸め処理だった
  • 「平均値」とだけ書いて定義不明

解決策

用語と計算方法を厳密に定義。

用語ルール例

  • ❌ 「上限超を除外」
  • ✅ 「上限超は上限値に丸める」

計算方法ルール例

  • ❌ 「平均値は〇〇」
  • ✅ 「平均値は〇〇(セグメント別加重平均)」

→ 用語の正確さは分析品質に直結するため、こちらもルールとして明記しました📚


課題③:複数ツール間でドキュメントが消える問題

解決策:

  • 「正となる文書」を固定
  • 消失しやすいセクションはチェックリスト化
  • 同期時の確認フローを整備

この取り組みで得た成果

  まだ、個人的な活用を始めたばかりですが、

観点 成果
効率化 定型作業が大幅に時短
品質向上 見落としが減り、レポート品質が安定
再現性 計算方法・定義が常に明記される
ナレッジ蓄積 属人化を減らし、分析結果を共有資産とする

AIを使うだけでなく、
業務の中に組み込むための仕組みを設計を進めることができたことが最も大きな成果でした🙌


今後の改善:もっと体系化された仕組みへ

  • 人間によるチェックリストのシステム化
  • A/Bテスト・コホート・ファネルなど分析タイプ別テンプレ/又は汎用的なテンプレートの整備
  • 仕組みが成熟したら、組織全体へ展開

AI時代の分析体制をつくるため、今後も進化させていきます💪


おわりに

今回の取り組みを通じて見えたことは、

  • 課題は「仕組み」で解決する→再現性が生まれる
  • AIの強みと限界を知ってコントロールする
  • セキュリティと品質は最優先
  • 完璧を目指さず、運用しながら育てる
  • 細部のルールが分析の信頼性を決める

    という点でした。


まだ始まったばかりの取り組みですが、
将来的には 組織全体のAI Readyな分析体制をつくる一歩にしたいと考えています🏃‍♀️