こんにちは、YOUTRUSTでエンジニアリングマネージャーをしている須藤(YOUTRUST/X)です。
最近の生成AI界隈、アップデートのペースが本当にすごいですよね。毎週のように新しいツールやエージェントが登場していて、開発のあり方そのものが変わり始めていると感じています。
YOUTRUSTでは、こうした流れを受けて生成AIへの投資を経営レベルで意思決定し、プロダクトチーム全体での活用に向けた予算を確保しています。
CursorやDevinのようなツールを単に「試す」にとどめず、日々の開発に自然に組み込まれている状態を目指して取り組んでいます。
私自身も、メール対応やYOUTRUST上でのスカウト文作成、面談後の評価コメントのドラフトまで、さまざまな業務にAIを活用しています。
もうAIなしでは仕事になりません……!
Cursorの利用料を全額会社負担で支給しています
YOUTRUSTではもともと、全社的にAIツール利用料の全額支給制度があり、対象ツールは基本的に自由という設計になっています。
ChatGPTやClaudeなど、個人の関心や業務内容に応じて柔軟に選べる制度です。
中でもGitHub Copilotは、すでに全エンジニアが利用しており、日常的にAIと開発を行う文化が自然と広がっていました。 そのうえで今回、プロダクトチームでは「Cursor」を全額会社負担の対象として制度化しました。
Cursorは、開発チーム内で数名が個人で導入しており、「便利」「実用的」といった声が自然に上がっていました。日々の開発フローにも、少しずつ馴染んできていたタイミングです。
たとえば:
- リファクタの方針を考える前段としての提案
- 複雑なコードの文脈を読み解く補助
- READMEやテストの自動生成による作業負担の軽減
といった場面で、確かな効果を感じているメンバーが複数いました。
こうしたツールをチームで継続的に活用していくには、"使い始めのハードル"をいかに下げるかがカギになります。 特に、個人課金モデルでは「気になっても一歩が踏み出しにくい」と感じる人も少なくありません。
そこで4月から、プロダクトチームとしてCursorの利用料を会社全額支給の対象とする制度を正式に導入しました。
すでに現場で活用されていたものを、チーム全体に安心して広げられるように──そんな意図で支給制度を整えました。
Devinも本格運用フェーズに
AI開発エージェント「Devin」についても、社内トライアルを経て、現在は本番環境での活用が進んでいます。
Devinは「ジュニアレベルの作業に向いている」とされることもありますが、「手を動かすのが面倒な定型作業」や「人に頼むには細かすぎる雑務」に特に強みを発揮します。
さらに、バックエンド・フロントエンド・アプリ・インフラまで、タスクを横断的に処理できる点も魅力です。
特定のレイヤーに閉じることなく、さまざまな領域の軽微な改修や検証もスムーズに進められます。
たとえば:
- 複数ファイルへの共通修正の反映
- 一時的な検証用スクリプトの生成
- ドキュメントの微修正と整合性確認
- スプリントに含まれていない改善要望や軽微な不具合への対応案のドラフト作成
こういった作業にAIを組み込むことで、開発の流れを止めずに、小さな改善を積み上げられる状態が生まれています。 インフラ設定の見直しからフロントUIの調整まで、ワンストップでこなせる対応範囲の広さが、現場でも非常に頼もしく感じられています。
ちなみに、トライアルを始めた3月中旬からのDevinの運用実績は以下の通りです:
- 作成PR数:176件、うち113件がマージされ、マージ率は64.2%
- 推定で360時間分のエンジニア作業を代替、ACU効率も一定以上
- 機能追加・バグ修正だけで全体の7割超を占めており、本番開発の一部として機能しています
- マージまでの中央値時間は0.62時間と、手戻りもほとんどありません
ツールとして導入するだけでなく、「実際にチームの中で成果を出している」状態になりつつあるのが今のフェーズです。
プロダクト開発にAIを組み込み、“地力”で勝つ
YOUTRUSTでは、AIを単なる効率化ツールではなく、開発の地力を引き上げてくれる存在として位置づけています。
- 技術調査や設計レビューのたたき台づくり
- テストケース・レビューコメントの草案生成
- 実装アイデアの壁打ち相手
といった場面で、チームの思考とアウトプットの質を高めてくれています。
毎月予算を確保、試して使って形式知にする仕組み
生成AIの進化はとにかく速く、ツールやワークフローの"最適解"は日々塗り替えられていきます。
YOUTRUSTではこの変化に積極的に対応できるよう、プロダクトチーム全体で年間数千万円規模のAIツール検証・導入予算を確保しています。
例えば、創業エンジニアの山田はClineで新プロダクトを開発するなど、最新のAIツールを惜しみなく活用できる基盤が整っています。
ツールの選定や導入だけでなく、継続的な学びや試行を重ねていける体制として運用しており、全社的な配布制度と合わせて、実質的に全額支給の形での支援が受けられます。
- ツール検証・活用のための全体予算を用意
- 社内勉強会を通じた実践的ノウハウの交換
- 活用事例や気づき、使いこなしのコツをNotionでドキュメント化
こうした取り組みを通じて、個々の工夫や発見を「暗黙知」で終わらせず、形式知として蓄積・共有していく文化を育んでいきたいと思っています。
息を吸うようにAIを使う組織をつくる
YOUTRUSTでは、AIを特別視せず、開発のごく自然な一部として組み込まれている状態を目指しています。
CursorやDevinのような実用的なツールを、制度と実践の両輪で支えながら、学び・試し・共有のサイクルを回していきます。 その積み重ねの先に、"息を吸うようにAIを使う"開発組織があると信じています。
もし、こういった環境や取り組みに興味があれば、ぜひカジュアルにお話しましょう!
生成AIを"当たり前"に使いこなす開発組織を、一緒につくっていける仲間をお待ちしています。 youtrust.jp